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中国東北部を旅して -その2-

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3 長春にて

   ハルピンに到着すると、ツアー客は、それぞれの郷愁の地へ班ごとに別れて旅立った。内蒙古自治区のハイラル、満州里、黒龍江省のチチハル、牡丹江、遼寧省の瀋陽(旧・奉天)、吉林省の吉林、延吉と行き先は様々だ。

   そして、各人の思い出は、ときに戦争の悲劇そのものだ。80歳を超えたある老婦人は、引き揚げの途中、3人の子を病気で亡くし、遺体を埋めた地を訪問して線香をあげたいという。

   私と母は、吉林省の省都長春へと向かった。満州鉄道を南へ下る旅である。行けども行けども広大な大地が続き、景色はほとんど変わらない。中国大陸の広大さに驚く。ツアー客は満州時代の思い出話を懐かしく語る。

   長春に着くと、「偽皇宮陳列館」を訪ねる。満州国の皇帝、溥儀の皇宮である。

偽皇宮陳列館.jpgのサムネール画像


 

   中国では、満州国を国と認めず、「偽満州国」と称している。そこで、「皇宮」は「偽皇宮」となる。溥儀が生活していた建物がそのまま展覧されている(「緝熙楼」)。溥儀は、日常的に関東軍吉義岡安直により監視されており、満州国とは、まさに日本の傀儡であったことがわかる。その他、「偽満州国国務院」など満州国の建物が、現在も使用されて、当時の面影を伝えている。

 

 

  長春の市内を観光すると、母の通った白菊小学校を訪問した。現在は、中学校としてそのままの形で残っていた。母の当時の住居を探したが、建て替えにより、残っていなかった。しかし50余年ぶりに訪れた母の感激は、計り難いものがあった。

 

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