2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」の中で、注目すべき名シーンを紹介しよう。大河ドラマの常識を破るキャラクターは、主に6回登場し、4回、黒田官兵衛と相対する。宇喜多直家である。ドラマの大きな流れの中で、普通に見ていると忘れ去られる。多くの人が、現に忘れているはずだ。しかし、その強烈な個性は私の胸を打った。こいつは一体何者だ!演じているのは、陣内孝則。4回官兵衛と対峙し、常に上から見下ろしている。あの官兵衛が、直家の発する一つ一つの言葉に驚かされ、たじたじとなっている。常に直家のペースで、ついに直家の死まで官兵衛は直家を押し返すことができなかった。NHK大河ドラマの常識を破るキャラクターの登場、そして名演技だ。ヘビー級ボクシングのチャンピオンとして伝説になったモハメド・アリのようだ。登場シーンを紹介しよう。宇喜多直家の登場シーンだけ見てほしい。
第11話 「命がけの宴(うたげ)」 第14話 「引き裂かれる姉妹」
第17話 「見捨てられた城」 第18話 「裏切る理由」
第22話 「有岡、最後の日」 第25話 「栄華の極み」
私は、この宇喜多直家の登場するシーンだけ、何度も何度も繰り返し観ている。親しい4人には、一緒に見ようと勧め、一緒に観賞した。6話の直家登場シーンを観賞すると、「軍師官兵衛」1話分(45分)位にはなる。しかし、観るたびに元気をもらっている。