モンスターカレンダー

« 2014年10月 »
12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2014年10月アーカイブ

栄華の極み.jpg

    直家  「宇喜多家は秀吉殿に賭ける。それはあの男がいずれ天下を狙える器だからじゃ。

          官兵衛。 宇喜多家のためにも、秀吉殿を盛り立ててやってくれ。」

    官兵衛 「羽柴様は織田の天下のことしか考えておられません。」

    直家 「フッフッフッフッ。織田の天下?ハッハッハッハッ。成るかの?・・・・・信長は危うい!」  

    直家は病気により死の床にある。闇討ち、騙し討ち、毒殺を平気でやってのけ、のし上がった直家

    も病に勝てなかった。義兄(上月景貞)を謀殺された官兵衛は、直家の臨終に立ち会っても、無関

    心のようで、冷たい。直家は、死の床にあっても、上から目線のまま、官兵衛に天下の情勢をしか

    と見極めるように遺言をした。直家は、出会いから最後の別れまで、官兵衛を圧倒していた。

有岡、最後の日.jpg

    直家 「本領安堵は相違ないな。」

    蜂須賀小六 「この首に懸けて、お約束致す。」

    直家 「お前の首など欲しくもないが、今日を限りにわしは毛利を捨て織田につく。」

    直家は病におかされたことを感じ、死期がそう遠くないことを予想する。八郎(後の宇喜多

    秀家)はまだ子供だ。竹中半兵衛はすでに死に、官兵衛は有岡城に幽閉されたまま。秀吉

    の使い蜂須賀小六に会い、織田に寝返ることを伝える。

    直家の妻お鮮役は、笛木優子。韓流ドラマ「オールイン」(主演イ・ビョンホン)に出演し、注

    目していた女優です。

 

裏切る理由.jpg

      直家 「この世のあらゆる謀略と裏切りは全てわしの耳に入ることになっておる。わしの

      知る限りそう織田の勢いが優っているとは思えんがな。」「西の方ばかり気にしておると

      背後を突かれるやも知れんぞ。まあせいぜい足をすくわれんよう用心するがよい。」

 

      宇喜多直家が動かず、毛利が兵を引いたため、官兵衛は、酒を届けて直家の機嫌をとり、

      直家の織田方への寝返りを促す。しかし、直家は意味深な言葉で断る。まもなく官兵衛に

      は人生最大の苦難が襲う。

見捨てられた城.jpg

      直家 「何を仰せか。それほど信用できぬというのであれば、今すぐここでそれがしをお

      切りください。 ただし言うておくが! わしを切れば、宇喜多はこれより毛利の敵となる。

      わしが戻らぬときは、すぐに毛利との戦支度を始めるよう家中に言いつけて参った。覚悟

      はおありか。あるなら今すぐわしを殺すがいい。」

      (吉川元春 「これではっきりしたな。あやつを信用することなど金輪際出来ぬわ。」)

      (小早川隆景「はい。いつ裏切ってもおかしくないでしょう。」)

      直家の人を食った態度としらじらしい嘘が見ごたえのシーン。

      直家は、表向き毛利に従い、腹の中では織田につき、毛利の進軍を阻止した。

引き裂かれた姉妹.jpg

直家 「この乱世を生き延びるのに汚ないもきれいもあるか。生き残った者が勝ち。そうであろう。ハッハッハ

    ッ。」

(官兵衛 「ここまで人をおぞましいと思ったことはない。宇喜多直家は化け物だ。乱世が生んだ化け物。」)

直家配下の上月景貞は、家臣の裏切りにより首をとられ、家臣は羽柴秀吉に降伏。これは驚くべき陰謀によ

る結果だった。陰謀を知らされた官兵衛は、直家に食ってかかるが、直家は笑ってはね返す。直家の方が、

一枚も二枚も役者が上だった。

命がけの宴.jpg

直家「おぬしの目は澄んでおるな。そのような目の男を何人か知っておる。皆早死にしたがな。ハッハッハッ。」

官兵衛は、闇討ち、騙し討ち、毒殺などお手の物と評判の宇喜多直家を訪ねる。織田方の情報が欲しい直家は、率先して官兵衛に会いに出向く。官兵衛と直家の初めての出会い。そして、官兵衛の度肝を抜く光景が眼前に起こる。平然とした直家と言葉を失う官兵衛。印象に残る初対面。

2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」の中で、注目すべき名シーンを紹介しよう。大河ドラマの常識を破るキャラクターは、主に6回登場し、4回、黒田官兵衛と相対する。宇喜多直家である。ドラマの大きな流れの中で、普通に見ていると忘れ去られる。多くの人が、現に忘れているはずだ。しかし、その強烈な個性は私の胸を打った。こいつは一体何者だ!演じているのは、陣内孝則。4回官兵衛と対峙し、常に上から見下ろしている。あの官兵衛が、直家の発する一つ一つの言葉に驚かされ、たじたじとなっている。常に直家のペースで、ついに直家の死まで官兵衛は直家を押し返すことができなかった。NHK大河ドラマの常識を破るキャラクターの登場、そして名演技だ。ヘビー級ボクシングのチャンピオンとして伝説になったモハメド・アリのようだ。登場シーンを紹介しよう。宇喜多直家の登場シーンだけ見てほしい。

 第11話 「命がけの宴(うたげ)」    第14話 「引き裂かれる姉妹」   

 第17話 「見捨てられた城」       第18話 「裏切る理由」

 第22話 「有岡、最後の日」       第25話 「栄華の極み」

私は、この宇喜多直家の登場するシーンだけ、何度も何度も繰り返し観ている。親しい4人には、一緒に見ようと勧め、一緒に観賞した。6話の直家登場シーンを観賞すると、「軍師官兵衛」1話分(45分)位にはなる。しかし、観るたびに元気をもらっている。